# マイクロビット (micro:bit) v2間無線通信の基本
本ドキュメントは、初めてmicro:bitの無線通信を利用する際に必要な機材や事前準備、動作イメージを端末の画面上で確認できるシミュレーター、プログラムサンプル等を記載しています。また、中上級者向けの製品詳細仕様情報も確認できます。
# 1. 本ドキュメントの目的
- micro:bit(マイクロビット)の無線通信の仕様の把握
- micro:bit(マイクロビット)の無線通信に関するプログラミング方法の基本の把握
# 2. 製品の詳細仕様
# micro:bit無線通信(Low level radio communications)の詳細仕様
micro:bit(マイクロビット)は、オンボードの2.4GHzトランシーバーが内臓されており、micro:bit間専用の無線通信機能もそれによって機能します。
無線通信機能を使用して複数のmicro:bit間での通信ができ、メッセージを送信したり、マルチプレイヤーゲームを作成したりできます。
無線通信は、「Micro:bit Radio」プロトコルが利用され、micro:bit間では、非常にシンプルなパケットブロードキャストを行います。
さらに、micro:bitランタイムソフトウェアでは、各データペイロードに「グループコード」を追加し、簡単なユーザー管理デバイスのアドレス指定やフィルタリングができます。
micro:bit無線通信の詳細仕様は以下です。
数値、文字列等を送受信することができます。
ブロードキャストメッセージ設定可能な長さ:最大251バイト
メッセージはブロードキャストされ、あらかじめ選択されたチャネル(0〜83)で受信されます。 MakeCodeでは、「無線の電波帯域を設定する」ブロックで設定ができます。
ブロードキャストの送信出力パワー(0〜7)を設定ができます。パワーが増えるほど送信できる範囲が広がります(通信できる距離が長くなります)。
メッセージは、シリアル番号(microbit個別の番号)とグループ(0〜255)でフィルタリングすることができます。
シリアル番号を送信するかどうかを設定することができます。
受信したメッセージは、構成可能なサイズのキューから読み取られます(キューが大きいほど、より多くのRAMが使用されます)。 キューが満杯になった場合、新しいメッセージは無視されます。 メッセージをリードすると、そのメッセージはキューから削除されます。
受信するパケットに、受信信号強度、メッセージを受信した時刻、シリアル番号も含まれています。
micro:bit(マイクロビット)のバージョンv2とv1.5の無線通信の仕様は以下です。
項目 | v2 | v1.5 |
---|---|---|
プロトコル | Micro:bit Radio (opens new window) | Micro:bit Radio (opens new window) |
周波数帯 | 2.4GHz | 2.4GHz |
チャネルレート | 1Mbps or 2Mbps | 1Mbps or 2Mbps |
暗号化 | None | None |
チャンネル | 80 (0..80) | 101 (0..100) |
グループコード | 255 | 255 |
送信出力パワー | 設定可能な8段階 0(-30dbm) から 7 (+4dbm) まで | 設定可能な8段階 0(-30dbm) から 7 (+4dbm) まで |
ペイロードサイズ | 32 (standard) 255 (if reconfigured) | 32 (standard) 255 (if reconfigured) |
より詳細な情報 | Micro:bit Radio (opens new window) | Micro:bit Radio (opens new window) |
# 3. 必要な機材
# PC利用時に必要な機材
No. | 名称 | 個数 | HW/SW | 用途 | 補足 |
---|---|---|---|---|---|
01 | micro:bit(v2)本体 | 2 | HW | プログラミング・操作用 | - |
02 | micro:bit用 ケース | 2 | HW | micro:bit保護 | - |
03 | micro:bit用 USBケーブル | 1 | HW | PCとの接続 | - |
04 | micro:bit用 電池ボックス | 2 | HW | micro:bitへの電源供給 | 単4型電池 ✖️2 タイプを想定 |
05 | 単4型乾電池 | 4 | HW | micro:bitへの電源供給 | - |
06 | Chromebook、MacOS、WindowsのPC | 1 | HW | MakeCode操作用 | - |
07 | Google Chrome | 1 | SW | MakeCodeアクセス用 | - |
08 | USB変換アダプタ | 1 | HW | PC接続用 | PCのUSBポートがType-Cのみの場合、TypeC ⇄ TypeA変換アダプタが必要 |
# タブレット・スマートフォン利用時に必要な機材
No. | 名称 | 個数 | HW/SW | 用途 | 補足 |
---|---|---|---|---|---|
01 | micro:bit(v2)本体 | 2 | HW | プログラミング・操作用 | - |
02 | micro:bit用 ケース | 2 | HW | micro:bit保護 | - |
03 | micro:bit用 電池ボックス | 2 | HW | micro:bitへの電源供給 | 単4型電池 ✖️2 タイプを想定 |
04 | 単4型乾電池 | 4 | HW | micro:bitへの電源供給 | - |
05 | タブレット・スマートフォン | 1 | HW | micro:bitアプリ操作用 | - |
06 | micro:bit アプリ | 1 | SW | micro:bitアプリ操作用 | - |
※ HW:ハードウェア、SW:ソフトウェア
※ Google Chromeは、Google社が提供しているブラウザ。ダウンロードはGoogle Chromeの公式ウェブページ (opens new window)で可能です。Chromebookでは、標準でインストールされています。
※ MakeCodeは、MicroSoft社が提供しているmicro:bitプログラミングできるオンラインソフトウェアです。詳細は「micro:bitのプログラミングで利用するソフトウェア」をご参照ください。
参考:micro:bitは、イフティニー ストアでお買い求めいただけます
当社はmicro:bitの公認正規販売店です。国内のmicro:bit利用推進を行っております。
micro:bit専門ストア「イフティニー ストア(iftiny store)」 (opens new window)にて、各種micro:bit関連製品の販売をしております。
# 4. 概要と所用時間
実施項目 | 概要 | 所用時間 |
---|---|---|
事前準備 | 事前に必要な準備と確認 | 5分 |
プログラミング | 用意されている表示ブロックを使ってプログラミングし、micro:bitに動作させる | 10分 |
利用後 | プログラミング完了後の作業 | 3分 |
合計時間 | ー | 18分 |
# 5. 事前準備
注意事項
操作する前に「micro:bitの扱い方と注意事項」をご覧ください。
参考情報
初めてmicro:bitを利用する方は、事前に以下のドキュメントをご覧ください。
- Mac PCをご利用の方は、「micro:bitの利用方法(MacOS)」をご覧ください。
- Windows PCをご利用の方は、「micro:bitの利用方法(Windows)」をご覧ください。
- タブレット・スマートフォンをご利用の方は、「micro:bitの利用方法(iOS,Android)」をご覧ください。
micro:bit(マイクロビット)、電池ボックス、USBケーブルの準備
PCの場合、PCとブラウザを起動し、MakeCodeでプログラミングできる状態に準備
タブレット・スマートフォンの場合、アプリを起動し、プログラミングできる状態に準備
# 6. プログラミング
# 実現したいこと
自分の今の気持ちを、近くにいるお友達に伝えます。
- 楽しく感じている時に、Aボタンを押せば、近くにいるお友達のmicro:bitに嬉しい顔が表示されます
- 悲しく感じている時に、Bボタンを押せば、近くにいるお友達のmicro:bitに悲しい顔が表示されます
- メッセージが届いたことがわかるように、嬉しい顔と悲しい顔の表示と共に、お知らせの音を鳴らします
- どのmicro:bitからの発信かを特定するために、発信したmicro:bitのシリアル番号を受信したmicro:bitのLEDディスプレイに表示します
- 関係のないメッセージを受信しないように設定します
# プログラミングのサンプル
以下は、上記プログラミング実施結果のサンプルです。
※ 以下を利用して、直接ご使用のmicro:bitにダウンロード(書き込み)することもできます。
また、ご自分のMakecodeに保存することもできます。
※ 通信する双方のmicro:bitにダウンロード(書き込み)する必要があります。
# MakeCode ブロック
# MakeCode pythonコード
radio.set_group(1)
radio.set_frequency_band(10)
radio.set_transmit_power(2)
radio.set_transmit_serial_number(True)
def on_button_pressed_a():
basic.clear_screen()
radio.send_value("feeling", 0)
input.on_button_pressed(Button.A, on_button_pressed_a)
def on_button_pressed_b():
basic.clear_screen()
radio.send_value("feeling", 1)
input.on_button_pressed(Button.B, on_button_pressed_b)
def on_received_value(name, value):
if name == "feeling":
if value == 0:
basic.show_icon(IconNames.HAPPY)
soundExpression.happy.play()
elif value == 1:
basic.show_icon(IconNames.SAD)
soundExpression.sad.play()
else:
basic.show_icon(IconNames.NO)
else:
basic.show_icon(IconNames.NO)
basic.pause(5000)
basic.show_string("" + str((radio.received_packet(RadioPacketProperty.SERIAL_NUMBER))))
basic.clear_screen()
radio.on_received_value(on_received_value)
# 7. 利用後
# PCとmicro:bitの接続解除
PCをご利用の場合、この段階では、micro:bitは外部ストレージとして認識し、PCとmicro:bitが接続されたままの状態です。このままPCから取り外すとデータ破損等のリスクがあります。そのため、取り外す前に、接続を解除する必要があります。
OSごと、以下の手順にて、PCとmicro:bitの外部ストレージ接続の解除を行います。
Chromebookの場合:ファイルのマークをクリックした後、「MICROBIT」右の「停止マーク」をクリックし、PCとmicro:bitの接続を切断します。安全に接続解除ができたら、USBケーブルを取り外します。
Macの場合:Finderを起動した後、「場所」の「MICROBIT」右の「停止マーク」をクリックし、PCとmicro:bitの接続を切断します。安全に接続解除ができたら、USBケーブルを取り外します。
- スマートフォンとタブレットの接続はBluetoothで行うため、上記のような外部ストレージ接続の解除を行う必要がありません。
# その他作業
電池ボックスの電源スイッチがOFFになっていることを確認し、電池を取り出します。
micro:bit(マイクロビット)、電池ボックス、USBケーブルを収納バッグに収納します。
必要に応じて、ブラウザの終了(PCの場合)、アプリの終了(タブレット・スマートフォン)、や端末のシャットダウンを実施します。
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