# マイクロビット (micro:bit) v2 LEDディスプレイの基本
本ドキュメントは、初めてmicro:bitのLEDディスプレイを利用する際に必要な機材や事前準備、動作イメージを端末の画面上で確認できるシミュレーター、プログラムサンプル等を記載しています。また、中上級者向けの製品詳細仕様情報も確認できます。
# 1. 本ドキュメントの目的
- micro:bit(マイクロビット)のLEDディスプレイの仕様の把握
- micro:bit(マイクロビット)のLEDディスプレイに関するプログラミング方法の基本の把握
# 2. 製品の詳細仕様
# ディスプレイ(Display)の詳細仕様
micro:bit(マイクロビット)のディスプレイは、5x5のLEDで構成されています。 内部では5x5のマトリックスとしてmicro:bitに接続されています。 ユーザが視覚的に違和感がないように、ランタイムソフトウェアはこのマトリックスを高速で繰り返して点滅させることで、その点滅自体が、点滅ではなく継続して点灯しているように見えます。
また、micro:bit(マイクロビット)の環境光センサーの実態はこのディスプレイです。ディスプレイを使って周囲の光を検出しています。
micro:bit(マイクロビット)現行v2と以前のv1.5両バージョンの仕様は以下です。
項目 | v2 | v1.5 |
---|---|---|
タイプ | 表面に装着されたLED(赤) | 表面に装着されたLED(赤) |
物理的構造 | 5x5 マトリックス | 5x5 マトリックス |
電子的構造 | 5x5 | 3x9 |
照度コントロール | ソフトウェア制御による最大255段階 | 10段階 |
センシング | ソフトウェアのアルゴリズムによる周囲光の推定 | ソフトウェアのアルゴリズムによる周囲光の推定 |
センシングの検知範囲 | TBC、オフからフルオンまでの10段階 | TBC、オフからフルオンまでの10段階 |
色の可視性 | 主に赤, 赤の波長は700nm | 主に赤, 赤の波長は700nm |
# 3. 必要な機材
# PC利用時に必要な機材
No. | 名称 | 個数 | HW/SW | 用途 | 補足 |
---|---|---|---|---|---|
01 | micro:bit(v2)本体 | 1 | HW | プログラミング・操作用 | - |
02 | micro:bit用 ケース | 1 | HW | micro:bit保護 | - |
03 | micro:bit用 USBケーブル | 1 | HW | PCとの接続 | (PC側)TypeA ⇄ TypeB(micro:bit側) |
04 | micro:bit用 電池ボックス | 1 | HW | micro:bitへの電源供給 | 単4型電池 ✖️2 タイプを想定 |
05 | 単4型乾電池 | 2 | HW | micro:bitへの電源供給 | - |
06 | Chromebook、MacOS、WindowsのPC | 1 | HW | MakeCode操作用 | - |
07 | Google Chrome | 1 | SW | MakeCodeアクセス用 | - |
08 | USB変換アダプタ | 1 | HW | PC接続用 | PCのUSBポートがType-Cのみの場合、TypeC ⇄ TypeA変換アダプタが必要 |
# タブレット・スマートフォン利用時に必要な機材
No. | 名称 | 個数 | HW/SW | 用途 | 補足 |
---|---|---|---|---|---|
01 | micro:bit(v2)本体 | 1 | HW | プログラミング・操作用 | - |
02 | micro:bit用 ケース | 1 | HW | micro:bit保護 | - |
03 | micro:bit用 電池ボックス | 1 | HW | micro:bitへの電源供給 | 単4型電池 ✖️2 タイプを想定 |
04 | 単4型乾電池 | 2 | HW | micro:bitへの電源供給 | - |
05 | タブレット・スマートフォン | 1 | HW | micro:bitアプリ操作用 | - |
06 | micro:bit アプリ | 1 | SW | micro:bitアプリ操作用 | - |
※ HW:ハードウェア、SW:ソフトウェア
※ Google Chromeは、Google社が提供しているブラウザ。ダウンロードはGoogle Chromeの公式ウェブページ (opens new window)で可能です。Chromebookでは、標準でインストールされています。
※ MakeCodeは、MicroSoft社が提供しているmicro:bitプログラミングできるオンラインソフトウェアです。詳細は「micro:bitのプログラミングで利用するソフトウェア」をご参照ください。
参考:micro:bitは、イフティニー ストアでお買い求めいただけます
当社はmicro:bitの公認正規販売店です。国内のmicro:bit利用推進を行っております。
micro:bit専門ストア「イフティニー ストア(iftiny store)」 (opens new window)にて、各種micro:bit関連製品の販売をしております。
# 4. 概要と所用時間
実施項目 | 概要 | 所用時間 |
---|---|---|
事前準備 | 事前に必要な準備と確認 | 5分 |
プログラミング | 用意されている表示ブロックを使ってプログラミングし、micro:bitに動作させる | 20分 |
利用後 | プログラミング完了後の作業 | 3分 |
合計時間 | ー | 28分 |
# 5. 事前準備
注意事項
操作する前に「micro:bitの扱い方と注意事項」をご覧ください。
参考情報
初めてmicro:bitを利用する方は、事前に以下のドキュメントをご覧ください。
- Chromebookご利用の方は、「micro:bitの利用方法(Chromebook)」をご覧ください。
- Mac PCをご利用の方は、「micro:bitの利用方法(MacOS)」をご覧ください。
- タブレット・スマートフォンをご利用の方は、「micro:bitの利用方法(iOS,Android)」をご覧ください。
micro:bit(マイクロビット)、電池ボックス、USBケーブルの準備
PCの場合、PCとブラウザを起動し、MakeCodeでプログラミングできる状態に準備
タブレット・スマートフォンの場合、アプリを起動し、プログラミングできる状態に準備
# 6. プログラミング
# 実現したいこと
カメラ撮影の流れをイメージして、以下の表示をLEDにさせます。
- micro:bit(マイクロビット)の画面に数字の「1」、「2」、「3」を順番に表示します。
- スマイルマークを表示します。
- その後、カメラのイメージを表示します。
- 最後に、「→」を表示し、「THANKS!」を流れるように表示します。この部分のみ、延々と繰り返します。
# プログラミングの構想
ここでは、プログラミングの考え方を記載しています。
すぐにmicro:bit(マイクロビット)で実現したい方は、直接プログラミングのサンプルを使ってください。
No. | 対応のステップ | 詳細 |
---|---|---|
01 | 実現したいことを確認 | まずは、実現したいことを改めて確認します。 |
02 | 出力を確認 | 出力を確認します。 表示する内容がタイミングによって異なりますが、処理は基本的に画面に表示することを実現しようとしています。従って、出力はLEDディスプレイに表示することのみです。 |
03 | 入力を確認 | 入力があるかを確認します。 今回は、特に入力の必要はありません。 |
04 | 処理の構想 | 処理の枠組みを考えます。 同じ表示ですが、表示方法は2種類あります。 数字の「1」、「2」、「3」とスマイルマークを順番に表示するだけですが、表示のタイミングは最初の1度だけです。 スマイルマーク表示後の「→」と「THANKS!」は繰り返し表示します。 処理は、「最初に一回だけの表示」と「繰り返し表示」の二つの大きいブロックに分ける必要があることがわかりました。 |
# プログラミングの実施
No. | 実施項目 | 実現すること | 手順 | 確認 |
---|---|---|---|---|
01 | 一回だけの表示の実装 | 数字の「1」、「2」、「3」を表示。 | ブロックは「最初だけ」を使います。 「数を表示」ブロックを「基本」から選び、その中に、「最初だけ」ブロックに三つ入れます。その後、それぞれの数字の部分を「0」から「1」、「2」、「3」に変更します。 | シミュレーターで「1」、「2」、「3」が順番に表示されることを確認します。 また、一回のみ表示されることを確認します。 |
02 | 一回だけの表示の実装 | スマイルマークを表示。 | 「アイコンを表示」ブロックを「基本」から選び、「最初だけ」ブロックに入れます。 「数を表示」ブロック(3)の下に配置します。 最後に、「アイコンを表示」のアイコンをスマイルアイコンに変更します。 | シミュレーターで「1」、「2」、「3」、スマイルマークが順番に表示されることを確認します。 |
03 | 一回だけの表示の実装 | カメラのイメージを表示。 | 「アイコンを表示」に用意されているアイコンを確認すると、カメラのアイコンがないので作成が必要であることがわかりました。「LED画面を表示」ブロックを「基本」から選び、「最初だけ」ブロックに入れます。 「LED画面を表示」ブロックを「アイコンを表示」ブロック(スマイルマーク)の下に配置します。 最後に、「LED画面を表示」ブロックのドッドを使って、カメラのイメージを作ります。 | シミュレーターで「1」、「2」、「3」、スマイルマーク、カメライメージが順番に表示されることを確認します。 |
04 | 繰り返し表示の実装 | 「→」を表示。 | 「矢印を表示」という用意されたブロックがあるため、「矢印を表示」ブロックを「基本」から選び、「ずっと」ブロックに入れます 矢印を表示」ブロックの矢印の選択から「右向き→」を選択します。 | シミュレーターで「1」、「2」、「3」、スマイルマーク、カメライメージが順番に表示された後に、「→」が表示される。繰り返し「→」が表示されていますが、同じ表示なので、変化がありません。 |
05 | 繰り返し表示の実装 | 「THANKS!」を表示。 | 「文字を表示」という用意されたブロックがあるため、「文字を表示」ブロックを「基本」から選び、「ずっと」ブロックに入れます。 「文字を表示」ブロックを「矢印を表示」ブロック(3)の下に配置します。 最後に、「文字を表示」ブロックのテキスト入力バーに「THANKS!」を入力します。 | シミュレーターで「1」、「2」、「3」、スマイルマーク、カメライメージが順番に表示された後に、「→」と「THANKS!」が表示される。 また、「→」と「THANKS!」は繰り返し表示されることに対して、「1」、「2」、「3」、スマイルマーク、カメライメージは最初の一回のみ表示された。 |
06 | テスト | シミュレーターでテスト | MakeCodeのシミュレーターの下部にある「シミュレーターを再起動する」ボタン(左から2つ目のボタン)をクリックし、リセットをします。 | リセット後、想定の表示が問題なく表示されることを確認します。 |
07 | デプロイ | micro:bitにダウンロード(書込み) | MakeCodeの「ダウンロード」ボタンを使ってmicro:bitに書込みます。 | エラーなく書込みが問題なくされたことを確認します。 |
08 | 実機確認 | micro:bitで確認 | micro:bitのリセットボタンで本体をリセットします。 | micro:bitのリセットボタンでmicro:bitをリセットし、想定の表示がされることを確認します。 |
# プログラミングのサンプル
以下は、上記プログラミング実施結果のサンプルです。
※ 以下を利用して、直接ご使用のmicro:bitにダウンロード(書き込み)することもできます。
また、ご自分のMakecodeに保存することもできます。
# MakeCode ブロック
# MakeCode pythonコード
basic.showNumber(1)
basic.showNumber(2)
basic.showNumber(3)
basic.showIcon(IconNames.Happy)
basic.showLeds(`
. # . . .
# # # # #
# . # . #
# . . . #
# # # # #
`)
basic.forever(function () {
basic.showArrow(ArrowNames.East)
basic.showString("THANKS!")
})
# 7. 利用後
# PCとmicro:bitの接続解除
PCをご利用の場合、この段階では、micro:bitは外部ストレージとして認識し、PCとmicro:bitが接続されたままの状態です。このままPCから取り外すとデータ破損等のリスクがあります。そのため、取り外す前に、接続を解除する必要があります。
OSごと、以下の手順にて、PCとmicro:bitの外部ストレージ接続の解除を行います。
Chromebookの場合:ファイルのマークをクリックした後、「MICROBIT」右の「停止マーク」をクリックし、PCとmicro:bitの接続を切断します。安全に接続解除ができたら、USBケーブルを取り外します。
Macの場合:Finderを起動した後、「場所」の「MICROBIT」右の「停止マーク」をクリックし、PCとmicro:bitの接続を切断します。安全に接続解除ができたら、USBケーブルを取り外します。
- スマートフォンとタブレットの接続はBluetoothで行うため、上記のような外部ストレージ接続の解除を行う必要がありません。
# その他作業
電池ボックスの電源スイッチがOFFになっていることを確認し、電池を取り出します。
micro:bit(マイクロビット)、電池ボックス、USBケーブルを収納バッグに収納します。
必要に応じて、ブラウザの終了(PCの場合)、アプリの終了(タブレット・スマートフォン)、や端末のシャットダウンを実施します。
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